フジタのグリーンインフラ
グリーンインフラとは
グリーンインフラとは、自然が持つ多様な機能(防災・減災、ウェルビーイング、環境保全、良好なコミュニティ形成)を社会資本(インフラ)整備や土地利用にうまく取り入れて、持続可能で魅力ある国土・地域づくりを進める取り組みです。
グリーンインフラの機能例
防災・減災
- 雨水を緑地などで貯留・浸透させ洪水リスクの軽減
- 夏の災害級の暑さを木陰(緑陰)により緩和
- 樹木などで落石・流木・雪崩の防止や法面保護
- 樹林による風・雪除けや火災延焼防止
- 気候変動に伴うインフラへの負担軽減 ほか
環境保全
- 生物の生息・生育場の保全・創出、重要種の保全
- 雨水の浸透による湧水や地下水の保全
- 自然を取り入れた魅力ある景観の保全・創出
- 植物によるCO2の吸収と大気質の改善
- 再生可能エネルギーによるCO2の削減 ほか
ウェルビーイング
- 心身の健康増進(疲労・ストレスの低減、ネガティブな感情緩和、疾病予防・回復促進)
- 勤務者などの作業効率・精度・創造性の向上
- 良好な子供の成長・発育と人間関係の構築
- 快適な生活環境や運動機会の創出 ほか
良好なコミュニティ
- 地域の活性化(地方創生)
- 地域経済の振興、土地の資産価値の上昇
- 食糧・木材の生産、資源循環型経済づくり
- 土地の有効活用、持続可能なインフラの管理
- 環境教育、自然や人との触れ合い、文化の継承 ほか
フジタの企業活動とグリーンインフラ
フジタは、30年以上前から、企業理念やスローガンにグリーンインフラの概念を先取りする考え方を取り入れ、企業活動を行なってきました。
企業理念
自然を 社会を 街を
そして人の心を
豊かにするために
フジタは たゆまず働く
スローガン
“高”環境づくり
グリーンインフラの取り組み方針
フジタのグリーンインフラ4原則に基づき、事業を通じて、目標に向け新しいアイデアや技術に取り組んでいます。
フジタのグリーンインフラ4原則
- 緑地などの自然の多様な機能を計画・設計段階で積極的に活用すること
- 元々ある自然環境の価値を認識し、保全・活用すること
- 生活者の安全・安心を損ねないこと、ウェルビーイングを向上すること
- 周辺環境や地球環境と調和すること
建設事業、街づくり事業、研究開発
多様な機能に着目した機能強化により、効率良く質の高いグリーンインフラを提供します
期待される目標
- 地域・顧客のSDGsへの貢献
- 気候変動の緩和・適応への貢献
- ネイチャーポジティブの実現※
- ・生物多様性の価値を回復
- ・自然資本の損失を低減
※大和ハウスグループでは、環境長期ビジョンを定め、生物多様性損失の“チャレンジ・ゼロ”を掲げています。
フジタでは2030年度までにノーネットロス(開発などによる生物多様性の価値の損失をゼロにすること)の達成を活動目標としています。
取り組み事例
・大和ハウスグループみらい価値共創センター
防災・減災
緑地、保水・浸透性の高いレインガーデン、雨水貯留槽を景観などに配慮して配置し、95パーセンタイルの降雨量の流出を抑制しています。また、トイレ洗浄水、水景補給水、散水に100%雨水活用を実現しました。
環境保全
周辺の自然植生や地域に定着した万葉植物に基づいて在来種の植物を植栽し、多様な生物の生息場になっています。完成後1年間でチョウゲンボウ(奈良県希少種)といった鳥類や昆虫類など145種の動物を確認しました。
ウェルビーイング
外構緑地のほか、2階・3階も屋上緑化し、室内の観葉植物と連携させて建物の各階、室内からの緑視率を高めるバイオフィリックデザイン※となっています。緑地には散策路や腰掛けスペースなども整備しています。
良好なコミュニティ
産官学民の連携により、生物多様性の研究会やランドスケープデザインの講演会、万葉集の草木から古の文化を学ぶセミナー、親子向けの環境学習プログラムなどが定期的に開催されています。
※人間は自然を好み、自然とつながりたい本能的欲求があるという考え方に基づいたデザイン。幸福度・生産性・創造性の向上が期待できる。
- 〔認証レベル〕
- GOLD
- 〔認証レベル〕
- PLATINUM
- 〔認証レベル〕
- GOLD
- 〔認証レベル〕
- AA
LEED、SITES、WELLは、それぞれU.S. Green Building Council®、Green Business Certification Inc.TM、International WELL Building InstituteTMが商標を所有し、許可を得て使用しています。
・南貞山運河外河川災害復旧工事
防災・減災
津波で被災した貴重な土木遺産である運河の堤防を、環境にも配慮した粘り強い構造でかさ上げ・復旧しました。また、侵食防止効果が高く在来種であるチガヤで緑化し、法面を保護しました。
環境保全
事前に植生調査を行い、自生していたセンダイハギ(宮城県絶滅危惧Ⅰ類)の仮移植や種子からの発芽により苗を育成し、堤防法面に復元しました。また、ふるさとの原風景再生を目指し、カワラナデシコなど在来野草による緑化を行いました。
ウェルビーイング
復旧した運河の堤防は自転車道となっており、歴史ある風景を楽しめるサイクリング・ジョギング・散策の場に利用されています。
良好なコミュニティ
歴史ある運河を未来につなぎ、多様な関係者が主体となり、愛着を持って管理していただけるよう、地域の方々や自治体、大学の関係者との協働作業で、堤防法面の一部を植栽しました。
ソリューション・研究開発
グリーンインフラの実装に向けて、独自の研究開発に取り組んでいます。
都市洪水対策
- メビオトープ®
- ・雨水貯留・活用:多用途な水利用、上水の削減
- ・雨水貯留・浸透:敷地外流出の防止
- レインガーデン(雨庭、緑溝)
- ・雨水貯留・浸透
- ・リサイクル土壌材料の活用
屋外環境の計画・評価
- 温熱快適性
- 風環境、粉塵濃度
- 音・振動
- 光環境
- 生物多様性価値(緑化、干潟・浅場再生)
- 緑化によるCO2吸収量
環境モニタリング
- いきもの見聞録(オンラインGIS動植物管理システム)
- ホタルモニタリングシステム
- 建物環境(大気質:PM2.5・PM10、CO2、人口密度、降雨量、水質)