気候変動の緩和と適応

大和ハウスグループでは「気候変動の緩和と適応」を重大な経営課題と位置づけ、環境長期ビジョンに掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた挑戦を続けています。当社においても「1.5℃目標」の目指す「2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロ」を果たすための気候変動対策を最重要課題と位置づけています。2022年度から始まった第7次中期経営計画における8つの重点テーマの一つ「すべての建物の脱炭素化によるカーボンニュートラルの実現」で設定された、バリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量(スコープ1・2・3)を2030年までに40%削減(2015年度比)する共通の目標に向け、当社でも全事業、全方向で取り組みを加速させています。当社の重点課題については年度ごとに「環境活動方針」と具体的な目標と指標を設定し、達成に向けた施策に沿って進捗状況を確認しています。

気候変動に関する環境中長期目標

気候変動に関する環境中長期目標

脱炭素の取り組みとして、当社の国内事業におけるCO₂排出量(総量)全体の約9割を占める施工部門のエネルギーを中心に事業活動全体で、徹底した省エネ対策と再生可能エネルギーの活用に重点を置いた施策を推進しています。

また、ライフサイクル全体における環境負荷の低減を意識した環境技術提案、環境配慮設計‧施工、調達を通じて、持続可能な建物‧まちづくりに貢献しています。中でも、建設業におけるバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量の大半を占める「建築物の使用段階」に影響する建築物の脱炭素化が急務となっています。当社が関わる建物に積極的なZEB(ネット‧ゼロ‧エネルギー‧ビル)提案を行い、お客さまや社会に対して最適な価値の提供を目指しています。

カーボンニュートラルに向けた取り組み

【スコープ1・2】  事業活動におけるCO2の”チャレンジ・ゼロ“

  • エネルギー使用からのCO₂排出削減
    • ・RE100達成に向けた使用電力の100%再生可能エネルギー化(2023年度国内使用電力100%再エネ化達成)
    • ・軽油代替燃料(GTL燃料、次世代バイオ燃料)、軽油用燃焼促進剤の利用推進
    • ・GX建設機械の使用に向けた検証
    • ・CO2削減状況の見える化(排出量監視システム導入による施工CO2の集計精度の向上)
  • 事業活動における省エネ対策
    • ・施工現場で省燃費型重機の利用・省燃費運転の推進
    • ・社用車での電気自動車導入
    • ・グリーン調達の推進
    • ・自社建物のZEB化

【スコープ3】 まちづくりにおけるCO2の”チャレンジ・ゼロ“/サプライチェーンにおけるCO2の”チャレンジ・ゼロ“

  • 原則、全棟ZEB・ZEH化
    • ・ZEB提案力の強化、ZEB率目標を設定(2030年度目標100%)
  • 原則、全棟屋根上に太陽光発電搭載(2030年目標100%)
  • 新たな脱炭素技術の研究・開発と実用化(木構造、環境配慮型コンクリートなど)
  • 低炭素建材の採用促進
  • サプライチェーンと連携したCO₂排出削減(SBTレベルのGHG排出量削減目標設定)

フジタの気候変動経営

フジタでは、「気候変動」をグローバル社会が直面している最も重要な環境および社会課題の1つであると認識し、企業の持続性に関わる中長期的な経営課題と見なし、継続して気候変動対策を検討しています。
気候変動が事業活動に与える影響について、2020年度~2021年度に社内でプロセス開発を含め、シナリオ分析を実施し、「脱炭素」「災害・防災」「自然資本」「労働・健康」の4つの分野で、当初309の重要課題を抽出しました。一連のシナリオ分析のプロセスは外部レビューを受け、妥当性を確認しています。シナリオ更新作業にともなう重要課題の更新も継続的におこなっています。2023年1月にTCFD提言に正式に賛同を表明し、ガバナンス強化をため、2023年度に再編集された環境マネジメント体制のもと、当社にとってのリスクと機会、重要課題を協議した上で、重要課題は中期経営計画重点方針から年度部門目標に展開し、部門・部署のマネジメントで進捗を管理しています。2023年度は、IPCC報告書、IEAの更新情報ほかを反映し、7件の重要課題を追加し、42課題を2024年度の各部門目標設定にあたっての検討事項として通達しています。