種子発芽促進による自生種復元手法

自生種の復元・緑化技術

開発事業や建設工事の現場周辺に生息する自生植物の種子に、独自のノウハウによる発芽促進処理を施すことで効率的に繁殖させる自生種の復元・保全手法

移植したセンダイハギ(宮城県仙台市内)

概要

本技術は、土地の改変前に在来種や希少種の種子を事前に採取し、種子に適した発芽促進処理を行い、高い発芽率で苗を生産し、現地に移植して復元するものです。一般的に野生植物の種子は発芽率が低く不揃いであることが多く、現場で採取した種子からの繁殖は実用的でなく、これまでは発芽しやすい植物種の復元に偏りがちでした。こうした難発芽性種子に対して発芽促進を施すことで効率的に自生種の復元を図ります。

特徴

  • 生物多様性の保全に寄与します
    発芽率が低く不揃いな植物種に対しては移植保護の措置をとることがありますが、場所の確保や適切な移植時期の設定など工事に影響が出る可能性があります。発芽促進、育苗により在来種の育成を行う本手法は、工事への影響が少なく汎用性のある在来種復元を可能にします。
  • 難発芽性の自生種の保全復元が可能です
    発芽促進にあたっては、基本となるプロセスの前後に、対象とする種子の形態・生態に応じたオプション処理を選択して付加することで、異なる植物種に対して汎用性のある発芽促進を行うことを特徴としています。

この技術の施工事例

その他

受賞
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J) 生物多様性アクション大賞2018 まもろう部門での入賞の一部として関与