土木VEの効率化例

UAV空撮による土工事3D出来形管理

工事 工種 細別・キーワード
ダム 土工・法面工・水処理 測量・出来形管理

機能の定義

出来形を管理する

改善の概要

UAV空撮による写真データと標定点から土工事出来形を3D化、短時間、少人数で広範囲の出来形測量と数量計算を実施し、土工事の出来形管理を効率化した。

当初案

改善案

内容・略図

内容・略図


主要説明

  • ・従来の出来形管理はTS測量を使用し、定められた法線に対して20m間隔で横断面の変化点(位置、高さ)を測量する。事前に20m間隔で法線の位置出しと、測量する変化点を現地で確認する必要があり、測定結果を得るために多くの手間がかかる。
  • ・土工事の出来形数量は、横断図から平均断面法にて算出するため、測定したデータをもとに横断図と数量計算書の作成が必要となる。

主要説明

  • ・UAVで空撮した出来形写真とX座標/Y座標/標高を持たせた標定点の精度/誤差を確認する。編集ソフトにて写真データを三次元復元計算/点群編集し、出来形を3Dデータ化する。
  • ・事前準備は標定点設定のみで、UAV空撮にかかる時間も2.0haで1時間程度と、短時間で測定ができる。
  • ・3Dデータから土工事数量の算出、任意の位置で現況高さの確認や横断図の作成が可能である。

コスト比較

【測定数5回:456,300㎡/回】
(=着工前、年度末×3、竣工)
5式
測量データ作成(4日)
5回
出来形測量(基準線、横断)
(=測量工28,000×3名×10日)
5回
測量データ整理(4日)
5回
横断図(@20m作成,10日)
5式
数量計算書作成(5日)
5式
諸経費(25%)
5式
交通費(10,000×10日)
5式

コスト比較

【面積45.63ha:空撮3回/回】
5式
UAV空撮
15回
対空標識設置
125 点
画像解析・点群合成
5式
ノイズ処理
5式
3D地形データ
5式
諸経費
5式
機器損料
5式
交通費
5式
  • VE節約率
    44.3%
  • 労務省力化率
    80%

改善案の効果(コスト以外の定量的・定性的評価)

  • ・簡易に広範囲を短時間に測定が可能。
  • ・従来測量に比べ最短1/6程度まで工程を大幅に短縮。
  • ・3Dデータから直接詳細な数量の把握が可能。
  • ・AutoCADデータのため、汎用性が高くデータを活用できる。

水平展開に向けての留意点・助言

  • ・地域によっては飛行不可能地区があり申請・許可が必要。
  • ・UAVでの管理について、発注者の事前承認が必要。
  • ・天候(風、雨)によっては空撮ができない。急遽中止となる場合、余分な経費がかかる。

  • 標定点設置
  • 標定点設置
  • UAV空撮状況
  • オルソ写真
  • 3D図(3次元点群データ)

既設底盤を利用した仮設桟橋杭の見直し

工事 工種 細別・キーワード
構造物 仮設桟橋 支持杭・解体

機能の定義

支持杭を設置する

改善の概要

凝集沈殿池築造における仮設桟橋の支持杭をプレボーリングによる打設から既設底盤コンクリート上への建込みとした。

当初案

改善案

内容・略図

内容・略図


主要説明

仮設桟橋の杭(200本)はプレボーリングにより打設が計画されており、その内114本については既設沈殿池の底版(t=600,800)の取壊しが必要であった。


主要説明

114本については、底盤を取り壊さずにその上へアンカープレートで建込むこととした。


コスト比較

支持杭(H350)材料費
487t
支持杭打設
200本
機械組立解体回送費
6回
底版コンクリート撤去・処分
460㎥

コスト比較

支持杭(H350)材料費
360t
支持杭打設
86本
機械組立解体回送費
4回
支持杭建て込み
114本
アンカー打設
456本
  • VE節約率
    34.9%
  • 労務省力化率
    29%

改善案の効果(コスト以外の定量的・定性的評価)

底盤壊しを無くすことによる騒音の低減、産廃の削減、工程の短縮。


水平展開に向けての留意点・助言

杭の支持力と底盤の強度を確認する必要がある。


ベースプレート取付詳細図 支柱:H-350×350×12×19
  • アンカーコア削孔(Φ25)状況
  • アンカー(M22)設置完了
  • 桟橋杭建込状況
  • 桟橋杭設置完了