社会 - 防災・減災への取り組み

自然を、街を、そして人の未来を守る フジタの防災・減災

国土の地理的・地形的・気象的な特性から、近年、災害に対する強靱性(レジリエンス)を向上させる取り組みが各地で進められており、その課題解決は建設会社の社会的な責務となっています。
当社でも「いのちとくらしを守る防災・減災」分野を気候変動経営の重要課題(マテリアリティ)として抽出し、専門部署を設置して取り組みを強化しています。

平時:予防する、備える

各自治体やお客さまと災害時協定を締結し、当社の元施工物件の被災状況を収集し、対応できる体制を整えています。また緊急通行車両の登録整備や協力会社との協定締結など、日々の積み重ねを大切にすることで、有事の際の速やかな初動を実現しており、インフラの早期復旧や二次災害の抑制に貢献しています。

広島市との協定締結式(左:株式会社フジタ 井出専務、右:松井広島市長)

創業の地を守る

当社は2025年1月に広島市と「災害時における応急対応物資等の提供に関する協定」を締結しました。
小田急グループ(小田急線沿線)や平塚市とも防災協定を締結しており、災害発生時には応急復旧業務や災害用簡易ベッド・災害応急対応用機材などを提供し、最大限の協力を行います。

防災イベントに出展

当社は内閣府主催の「ぼうさいこくたい」や神奈川県の総合防災訓練「ビッグレスキューかながわ」に毎年出展しています。フジタの防災技術の展示や取り組みを紹介し、災害に関する知識や経験などをより多くの人と共有し、防災意識の向上を目指しています。

災害発生:
緊急対応・応急対策
緊急時:被災直後の二次災害・
拡大防止、被害軽減

災害を「防ぐ」「最小化する」「復旧する」ための当社の技術開発の歴史は長く、従前から建物の免震・制振技術や土木構造物の耐震補強技術といった、災害予防フェーズにおいて社会インフラの強靭化に貢献する技術の開発に取り組んできました。
ひとたび災害が発生した時の被害状況把握、緊急対応、応急復旧に貢献する技術の開発にも力を入れて取り組んでいます。

防災・減災に寄与する技術の開発

  • ロボQS

    汎用の油圧ショベルに現地で装着可能な遠隔操縦ロボット。人が立ち入ることができない災害現場での重機の遠隔操縦、無人化施工を可能にします。

  • ドローンシステム

    水中を測れる小型のグリーンレーザーを搭載した長時間ドローンを用いて、被災直後の状況を正確に素早く把握します。

  • FTマッドキラー

    製紙製造過程で発生するペーパースラッジ灰を基材とした無機吸水系の土質改良材です。吸水性に優れていることから、「どろどろの土」を瞬時に「さらさらの土」に改良することが可能です。

  • 災害用簡易ベッド

    テント付きの組み立て式で、プライバシー確保、飛沫感染防止にもつながる災害用簡易ベッドです。

  • SAR:Synthetic Aperture Radar
    (合成開口レーダー)

    広範囲にわたる現場状況をモニタリングするため、SAR 衛星データを用いた災害被害把握技術の実証試験を行なっています。SAR衛星データを活用することで、天候や昼夜を問わず広域の地表情報を取得し、より迅速に災害現地の全容を把握することができます。

復旧・復興

当社は、1990年に発生した雲仙普賢岳の火山災害以降、これまで発生した多くの震災に対応し、地域の再生だけでなく、災害に強くにぎわいの戻る街づくりと自然環境との調和を願い、地域とともに歩んでまいりました。

東日本大震災への対応

当社は、東日本大震災発生直後、発注者・自治体からの要請を受け、道路啓開・瓦礫片付・構造物の点検復旧・緊急物資の提供などを行いました。

「東日本大震災メモリアルカップU-12」に協賛

「東日本大震災メモリアルカップU-12」は今後の日本の将来を担うこどもたちにサッカーを通じて心身を鍛え、フェアプレーの精神を学ぶ機会を提供するとともに、福島のみならず東北地域の復興を祈念して開催されるもので、当社はその趣旨に賛同し、大会を支援しています。

「ふくしまマルシェランチ&物産展」を開催

東日本大震災での原子力事故の影響による福島県への風評被害払拭に向け、貢献しようという志を持った企業による組織団体である「ふくしま応援企業ネットワーク」に賛同し「ふくしまマルシェランチ&物産展」を、毎年開催しています。

能登半島地震への対応

当社は災害協定に基づき、国土交通省北陸地方整備局より日本建設業連合会経由で要請を受け、石川県輪島市を流れる町野川水系牛尾川の緊急復旧工事を担当しました。