改良土による既存杭撤去孔の均質な埋戻しを実現

既存建物杭と干渉する新設杭を遅滞なく打設する「FUNC-RES工法」

概要

本工法は既存杭の撤去孔に堆積した超軟弱土を適切な強さ、かつ均質な土質に改良し、その後の新設杭打設の施工効率を向上させるもので、施工期間や施工機械の稼働時間が短縮でき、CO2排出量削減だけでなく、周辺の生活環境の負荷低減も期待できます。



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特徴

既存の建物を解体し、同じ敷地に新たに建物を建てる場合、新設建物の杭の打設予定位置に既存建物の杭が残っている場合は既存杭を引き抜く必要があります。従来工法では既存杭を引き抜いた後の孔にセメント系固化材などの改良材などを投入して埋め戻しますが、細長い孔内では十分な混合が難しいため不均一となり、このような位置へ新設杭を打設する場合は、既存杭の干渉のない位置に打設する場合と比べて施工能率が落ち、通常の新設杭打設より工期が長くなる場合があります。

本工法は既存杭を引抜いた後に体積調整用の砂を投入し、新たに開発した撹拌装置で固化材を添加しながら孔内全体を改良します。撹拌装置はケーシングと連動して回転する撹拌翼および掘削翼と、孔周囲の地盤に貫入させた回転防止板により静止する固定翼を交互に配置した構造からなり、塊状の粘性土も細断されるため、超軟弱土と砂と固化材が十分に混合され、孔内を均質に改良できます。また、この撹拌装置は既存杭を引き抜く際に使用するケーシングの先端にアダプターを介して接続できるため既存杭の引抜きから土質改良まで一連の工程で重機を入れ替える必要が無く、効率よく施工できます。

FUNC-RES工法概要図

その他

本工法は「FUNC-RES工法―杭引抜き孔の再生改良工法―」として一般財団法人日本建築総合試験所において2020年4月に建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第19-29号)を取得しています。また、工法および撹拌装置の特許を出願中です。