国土交通省中国地方整備局が新技術の開発促進・普及拡大を図るため、現場ニーズと企業の技術シーズをマッチングさせる取り組みにおいて、当社の提案した「全自動ドローン」※1が、出雲河川事務所のニーズとマッチングが成立し、志津見ダム※2にて災害時を想定した被災および復旧状況などの経過確認を自動化する現場試行を実施しました。
本技術は、開閉式ハッチなどを備え、自動離着陸、自動充電が可能なドローン基地(株式会社センシンロボティクスと共同開発)と、フジタの建設現場で活用中の「遠隔臨場ドローン」の技術を組み合わせたシステムで、オペレータの介在なしに目視外飛行(レベル3)※3を可能とし、カメラのリアルタイム映像をWebブラウザで複数拠点から同時共有できる技術です。
本試行の成果として、以下を確認しました。
●ダム堤体を含む構造物の管理点検を想定した写真測量による経過観察の自動化を実証
●ダム堤体上流左岸コンクリ―ト法枠法面での災害を想定した遠隔臨場による経過観察の自動化を実証
※1 2021年7月13日社外発表「全自動ドローン」で建設現場内の測量と安全巡視を無人化
※2 管理者:国土交通省中国地方整備局出雲河川事務所
※3 無人地帯で補助者なしで飛行できるレベル。現場内はドローン飛行を認知している者のみで、無人地帯として認定される。
<全自動ドローンによる観測結果>
<全自動ドローン離陸状況>
<全自動ドローンによる自動観測状況>
<災害現場での活用メリット>
●災害時にドローンが自動飛行
災害発生直後で人が動けない間、にドローンが自動で離陸し、被災状況を確認。
また、自動で充電可能なドローン基地を備え、1日4~5回、操作者なしで自動飛行が可能。
●リアルタイムに映像共有
機体制御や映像伝送をはじめ、すべての通信を、搭載したLTEモジュールで行うことで、幅広いエリア1で被災状況の経過観察が可能。
●安全自動飛行で点検
ドローンは構造物と適切な距離を確保しながら安全に自動飛行し、インフラ施設などの被災状況を確認。従来、人が行っていた操作を自走かすることで、操作ミスによる事故がなくなり、安全性の向上とともに、省人化を実現。
●AI対象物比較で変状検出
収集した写真データと位置情報を組み合わせ、AIと連動した対象物比較で変状検出が可能。