建物に個性と機能を付与する設備
そのコストと品質の最適解を追求する
建築設備・電気山田 紋子
私が所属する設備部の仕事は、よく臓器や血液に例えられます。これは、身体である建物に対して、照明や空調、上下水道、電気といった人々が生活する上で欠かせない機能を付加し、さらに配線や配管などを通じて電気やガスを巡らせることに起因します。その中で私は、お客さまの要望を基に描かれた設計図を精査し、建物を具現化するために必要な費用を算出する積算という職務に従事しています。具体的には、設計図からお客さまの期待する建築設備の機能や性能を見極め、決められた予算内に納まるよう調整していきます。しかしながら言うは易しで、スムーズに積算が進むことはそうありません。仮に予算に納まらなければ、各部署と連携し、積算の立場から、多くの原価削減策を抽出してお客さま、設計事務所へ提案していくことになります。私たちの最終的なゴールは、受注へ結びつく原価を正確に算出することです。さらに言えば、品質と原価の最適なバランスを導き出すことも求められます。こうした、企業活動における受注と利益に密接に関わる側面を持つことも積算の特徴と言えます。
マンションやホテル、病院、老健施設、商業施設、工場、スポーツ施設・・・建物には多様な用途が存在します。お客さまの要望や建設地により個性が生まれ、同じものが存在しない事実に、建設業の奥ゆかしさを感じます。そして、その用途を決定づける要件の一つが建築設備であり、その事実に仕事の意義を感じています。一方で、最近ではオリンピック需要や金利変動をはじめとする社会の景気動向がもたらす市況の変化は、積算における適正価格の概念に大きな影響をもたらします。良くも悪くも見通しの立てづらい社会に煩わしさを感じることもありますが、そういった多面的な情報の中から自分なりのビジネスチャンスを見出し、一つひとつの物件の適正価格を追い求める作業は、難しくもあり楽しくもあります。さらに、必然的に多くの設計書や図面を目にする機会が、さまざまな設計哲学や方法論に触れられる、良いきっかけとなっています。これまでのキャリアで、施工管理と積算を経験しましたが、それらの経験を総動員しながら、より守備範囲の広い頼られる人材を目指していきたいです。
山田 紋子
所属部署:東日本支社
建設統括部 設備部
2011年入社/工学部建築学科(建築材料研究室)
中学時代はバスケ、高校時代は弓道、大学時代は野球部のマネージャーをしていました。最近、生涯続けられるスポーツとして改めて弓道をはじめようと思案。休日は大学時代の友人と都内グルメを堪能しています。