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FUJITA DaiwaHouse Group

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-環境にやさしく、消泡作用が強いシリコーン系消泡剤(FT-01)を開発- 気泡シールド工法の掘削土流体輸送を実現

 株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区 社長:上田卓司)は、京浜ソイル株式会社(本社:神奈川県横浜市 社長:永井文博)と気泡シールド工法での掘削土流体輸送を可能とする消泡剤『FT-01』を共同開発しました。

 当社は、徳島県鳴門市の「吉野川下流域農地防災事業北部幹線水路(板東・萩原工区)建設工事」(以下「当工事」)でFT-01を実用化し、営農地域での広範囲な掘削土質(粘性土・砂礫・砂層)に対して安全で環境にやさしく日進量を向上したシールド掘進を実現しました。

 従来、気泡シールド工法の掘削土搬送は、鋼車(トロッコ)やベルトコンベヤ方式で行われていましたが、坑内の作業環境や掘削土の処理に課題がありました。パイプラインによる掘削土の流体輸送方式は、気泡によるポンプ類の性能低下(キャビテーション)の問題がありましたが、今回、水質汚濁に係る環境基準を満足し液中でも消泡作用の強いシリコーン系※1)の消泡剤FT-01を採用し、その消泡効果によってポンプ類の性能低下を防止して、国内初の気泡シールド工法の掘削土流体輸送が可能となりました。

 その結果、①掘削土を積み込んだ鋼車の荷揚げ危険作業が無くなり、騒音・振動防止などの安全性と作業環境性を向上、②砂礫・砂層から発生する掘削土を振動ふるいにかけた上で建設発生土※2)として処理、③鋼車でピストン輸送する掘削土搬送に比べロスタイムが少なくなり当工事では設計比約1.5倍のシールド日進量の向上が実現できました。

 近年、気泡シールド工法は長距離・大断面シールド工事を中心に増加傾向にあり、FT-01を環境にやさしく、気中・液中での消泡作用の強い消泡剤として、気泡シールド工法のあらゆる掘削土搬送方式への普及を図って行きます。

【消泡剤(FT-01)】 ⇒ FT:Fine Technology
  FT-01は、シリコーン系エマルジョン型の消泡剤で次の特徴を有しています。
 

水質汚濁に係る環境基準(人の健康の保護:27項目)を満足し、安全で環境にやさしい。

鉱物油系でなく、魚毒性・河川等への環境問題がない。

液中・気中での消泡速効性と持続性が有る。


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※1)

消泡剤は、繊維・石油精製・紙・パルプ・食品などの様々な分野での泡トラブルの解消のために使用されている。消泡剤をその原料面から分類するとシリコーン系、鉱物油系、ポリエーテル系、高級アルコール系などであり、FT-01はシリコーン系の高い安全性と強い消泡作用(シリコーンの極めて低い表面張力と優れた伸展性)に着目し開発した。
なお、気泡シールド工法の従来の消泡剤は鉱物油系である。

※2)

 

シールド工事で発生する掘削土は、一般的に地方自治体の次のような判断によって、建設発生土(土砂)か建設汚泥(産業廃棄物)に分別される。
 

・泥水非循環工法の例

一体の施工システムから排出される時点で泥状を呈するかどうかで判断。

・泥水循環工法の例

分級機によって分級した74μをこえる砂分(一次処理土)は建設発生土。
脱水機によって脱水された細粒分(二次処理土)は建設汚泥。


【当工事でのFT-01と掘削土流体輸送の効果】
 現在進めている当工事ではFT-01の消泡効果によって、流体輸送ポンプ類の性能低下(キャビテーション)や泡の排水による環境保全の課題を克服し、粘性土層(520m)から砂礫層(638m)、砂層(266m)まで、安全・高環境・日進量向上のシールド掘進を実現し、7月6日に到達しました。
 FT-01を採用した気泡シールド工法の掘削土流体輸送の効果は次のとおりです。

FT-01を使用した掘削処理水と一次処理土の安全性について分析試験を行った。
掘削処理水は、水素イオン濃度・浮遊物質量・BOD等について、また一次処理土は受け入地の基準に基づき分析したが、いずれも基準値内で環境保全性が確認できた。

循環泥水の流体輸送ポンプ類(坑内5台、地上1台)には性能低下(キャビテーション)は無く、FT-01の泥水中での消泡速効性が確認できた(写真-2・3参照)。

従来の鋼車方式では、1リング(1m)掘削毎に掘削土を2.5m3鋼車4両で坑内搬送し、発進基地の門型クレーンによって地上へ荷揚げ・転倒する作業(全数約5,800回)を行うが、流体輸送ではこの作業が全く無く、坑内での安全性・作業環境の向上および発進基地での荷揚げ危険作業の回避と鋼車転倒による騒音・振動防止が可能であった。

砂礫層での一次処理土は、振動ふるいの分級によって当初計画どおり建設発生土として処理できた(写真-4参照)。

流体輸送は、従来の切羽・発進立坑での鋼車入替え作業等のロスタイムが無く、連続掘進が可能で日進量向上が図れた。
本掘進での日進量は、粘性土層で平均12.4m(最大16m)、砂礫・砂層(粗石区間約78m除く)で平均11.9m(最大17m)である(設計日進量:8.1m)。


【今後の取組み】
気泡シールド工法の従来の掘削土搬送である鋼車およびベルトコンベヤ方式における気中での消泡と今回の流体輸送方式における液中での消泡にFT-01の普及を推進していきます。

FT01kihou2.jpg
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【当工事概要】
工事名称 吉野川下流域農地防災事業 北部幹線水路(板東・萩原工区)建設工事
発 注 者 農林水産省中国四国農政局
施 工 者 株式会社フジタ
工事場所 徳島県鳴門市大麻町板東、萩原及び三俣地内
工  期 平成21年12月19日~平成24年 3月22日
施工内容 気泡シールド工法  シールド機外径φ3,080mm 掘進延長1,424m


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