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FUJITA DaiwaHouse Group

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携帯電話通信網を利用した遠隔操縦を実証通信技術の進歩が変える、無人化施工の建設現場

 株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:上田卓司)は、携帯電話の高速無線通信を利用した遠隔操縦システムの実証実験を株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ様(本社:東京都千代田区、社長:山田隆持氏、以下ドコモ)と共同で実施し、通信速度に依存する動作遅れが実用上問題にならないことを確認、実用化に目途をつけました。この実験は長崎県の雲仙普賢岳災害復旧工事「赤松谷川10号床固工(とこがためこう)工事」の無人化施工現場で油圧ショベルを用い、ドコモのHSDPA※1回線網(FOMAハイスピード)を採用して、他社に先駆け実施したもので、国内では初の実証となります。
 HSDPAの利用で、遠隔操縦する建設機械台数や施工範囲の、実用上の制限はなくなるとされています。今後、より高速の通信サービスが提供され、遠隔操縦用の動画受信にも利用可能となることにより、災害復旧工事へのより機動的な対応が可能となります。

 雲仙普賢岳は1990年に噴火し、土石流などによって大きな被害を発生させましたが、その後山麓地域で災害防止を目的とした砂防ダムなどの構造物が順次整備されています。現在でも立ち入りが制限された警戒区域を含むため無人化施工が必要で、安全な場所に設置された遠隔操作室から、専用のカメラ車からの映像を元に、油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールダンプ等の遠隔操縦専用機を遠隔操縦して行っています。各建設機械は1対1で特定小電力無線のチャンネルを割り振られています。
 1994年の除石工事に始まったフジタの無人化施工は、遠隔操縦技術、映像・データ通信技術、施工支援技術の進歩に伴い、さまざまな工種に対応し、施工エリアも拡大しています。しかしそれに伴い、下記課題も顕在化してきました。

① 多種多様な遠隔操縦専用機の稼働による無線のチャンネル数の不足
② 施工エリア拡大に伴う無線中継車の増加による準備期間やコストの増加

 この課題解消のため当社とドコモは共同で、HSDPAを用いた遠隔操縦システムの開発を2007年度に着手し、2008年10月に当社の赤松10号作業所において、国内で初めてとなるHSDPAを用いた遠隔操縦の実証実験を行いました。その結果、通信速度に依存する、遠隔操作と重機動作の時間ズレは実用上問題なく、操作性能は実用化レベルに達していることを確認しました。

 今後は、HSUPA※2やLTE※3などのサービスが開始されることで遠隔操縦だけでなく、カメラ画像情報(動画)の送受信も中継装置なしで行えるようになり、オペレーターと重機の距離および台数の制限がなくなるため、工事の安全性だけでなく、より機動的な緊急災害復旧工事が期待できます。

【赤松谷川10号床固工工事の概要】

発 注 者

国土交通省九州地方整備局 雲仙復興事務所

施 工 者

株式会社フジタ

工事場所

長崎県南島原市深江町上大野木場地先

工  期

2007年6月15日~2008年12月26日

主要な工事数量:RCCコンクリート38,378m3、砂防土工197,500m3、除石工212,100m3、
        土砂型枠87,500m3、転流工13,699m3、無人化設備工一式

 
 

※1

HSDPA:下りリンク(基地局→端末)の通信速度を向上させる技術で「High Speed Downlink Packet Access」の略。ドコモは高速データ通信サービス「FOMAハイスピード」(2006年8月より提供開始。現在、下り7.2Mbps)の基盤技術として採用している

※2

HSUPA:上り(端末→基地局)方向の通信速度を向上させる技術で「High Speed Uplink Packet Access」の略

※3

LTE:Long Term Evolutionの略。標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)で仕様が作成された移動通信方式。下りリンクにおいて、最大100Mbps以上の伝送速度が実現される。ドコモがSuper 3Gとして提唱したもので『3.9G』と位置づけられる

 

添付資料

● 現状の無線通信システムの技術的課題
 ① 建設機械制御用無線チャンネル数の不足(電波干渉の可能性大)
 ② 通信距離が200~300m程度を超えると、中継設備が必要

tokusyo-sys.jpg

● 携帯電話通信網(HSDPA)の利用で解決
 ① 遠隔操縦専用機の稼働台数制限が実用上撤廃
 ② 操作性能に通信距離の影響なし
hsdpa-sys.jpg

● 赤松谷川10号床固工工事での実証実験
 ① 操作性に問題がなく遠隔操縦が可能
 ② 通信距離は1km以上でもOK
fugen.jpg

● 今後の展開
 ① 次期無人化施工において実用化実験を行う
 ② 通信能力向上に伴い、画像送信にも採用し、より適用範囲を拡大する
  (オペレーターと重機の距離、台数の制限がなくなる)



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