甲府に向かうあずさ号の車窓から、だんだんと山並みが見えてくる。当日はまだ、梅雨も明ける前、頂上から裾野に霧が立ちこんでくる。マイナスイオンの出迎えを受け、甲府裁判所作業所へと向かった。 甲府駅南口を出ると、すぐに武田信玄が出迎えてくれる。ケヤキ並木の続く全幅36メートルの大きな通り、平和通りが伸びており、甲府裁判所作業所は、この通り沿いの市役所、警察署などが建ち並ぶ市の中心 にあたる官庁街に位置する。 (2008年7月取材) |
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| 甲府駅から続く平和通り | 平和通りに面した作業所が一際目立つ |
【佐藤流 仕事の攻め方】
隣接した駐車場スペースには仮庁舎が建設され、そこで裁判が行われている。そのため足場外周に防音壁を組み上げ、地下工事には振動・騒音の少ない「オールケイシング全周回転型工法」を採用した。時間とコストに課題はあったが、あえてこの工法を採用したのは、「周辺環境へ優しい工事」を目指したからだ。もちろん、工程管理で課題をクリアーしていった。地元建設 会社や、裁判所建て替えPJチームの見学会も立て続けに開催され注目された。
| 工事の音が隣の裁判所仮庁舎(左側)に伝わらないよう、着工当初から3階の高さまで防音壁で覆っていた | 作業所ゲート付近もアスファルト舗装に。車両の音を低減させ、汚れも出ない |
工事の初期段階から現在に至るまで、スムーズに事が運んでいるのには理由がある。それは「佐藤流」の仕事の攻め方があるからだ。
使い勝手を確認してもらうために、建物内 に製作したモデルルーム |
佐藤流はこうだ。「施主からは躯体工事のときに仕上工事の承認をいただく。先手、先手で計画していく仕事の組み立て方は、勉強になる」。官庁工事 が初めての宗像副所長は分析する。
それだけではない。対応が良いと言われるのは、「設計変更をある程度予測しておくこと」にある。
新庁舎では裁判員制度を見越して「開かれた裁判所」として、全国の手本となる取り組みが行われており、裁判所の特殊な仕様は、試行錯誤の中で書き換えられている最中である。
設計関係者をはじめ、国交省関係者とは毎週のように、法廷の配置はどうか、待合ルームの使い勝手はどうか、裁判長の机の高さをどの程度にするかなど、事前にモックアップ(実物大の模型)を作りこ み、目で見て確認してもらい、細かいツメ の作業をしていく。
前向きに対応することで、施工の手順、方法、工程管理など高い評価を得て、他の裁判所建設の手本にもなっている。
決めるべきことは早期に取り組んで軸を通し、その上で変更にも柔軟に対応していく。
「どんなことがあっても一番使いやすい建物を造るのがわれわれの仕事だ。"日本一の裁判所を造る"これが私たちチームのテーマだ」佐藤所長はにこやかに応える。
| 佐藤所長 「近隣、施主より期待されているところにやりがいを感じる。次の裁判所施工にも十分に生かせるノウハウをこの作業所で培ったと思う」 |
官庁工事は初めての宗像副所長 「勉強になります!」 |












