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一般建材を用いた電波吸収体を壁面の一部に使用して無線LANの通信速度を40%向上

 

 株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:原田敬三)は、橋本修教授(青山学院大学 理工学部 電気電子工学科)の協力を得て、一般の内装用建材を積層した電波吸収体を内装壁に使用し、室内での無線LAN通信の40%速度向上に成功し、実用上非常に有効であることを確認しました。

 近年、価格低下や利便性により、無線LANがオフィスはもとより家庭にも普及しています。その一方で、電波の室外漏洩や別のネットワークへの混信、あるいは室内反射電波の影響※1等による通信速度低下などの問題が顕在化してきています。電波漏洩を防ぐには部屋の遮蔽が必要ですが、金属で部屋を覆うだけの対策では電波の反射が増え、通信速度が大幅に低下してしまうため、同時に電波を吸収する処置が必要で、安価で施工性のよい電波吸収体の開発が望まれていました。

 当社は、無線LANで使用する2つの周波数帯(2.5GHz帯、5.2GHz帯)を同時に吸収する、一般建材(繊維強化セメント板、珪酸カルシウム板、石膏ボードなど)で空気層を挟む三層電波吸収体を、2003年8月に開発しています。その効果を実際の使用環境で検証し、有効に機能することを確認する目的で、このたび当社技術センター(神奈川県厚木市)にオフィス空間を模擬したモデルルーム(寸法4.5m×6.2m×CH2.7m)を設置して、通信速度を測定する実験を行いました。
 その結果、1面の壁に三層電波吸収体を使用することにより、無線LAN(2.5GHz帯)の通信速度は平均40%向上しました。さらに天井での反射をなくしても大きな速度向上は見られなかったことから、無線LANの通常の使用方法では、一部の壁面だけに電波吸収体を使用することで、通信速度の大幅な改善が期待できることを確認しました。(別表参照)

 この三層電波吸収体は一般建材を用いるので、低コストで施工時に特殊な加工が不要、などのメリットがあります。今後はオフィス、マンションの新築に加え、リニューアル、リフォームや、需要拡大が予想されるホットスポット※2などにも積極的に提案していく予定です。

モデルルームに使用した内装材料の組合せと測定結果

室内環境 天井 測定結果
平均通信速度(Aとの比)
アルミニウム板(4面) アルミニウム板
(システム天井)
2.51MBps ( 1.00 )
三層電波吸収体(1面)
アルミニウム板(3面)
アルミニウム板
(システム天井)
3.51MBps ( 1.40 )
三層電波吸収体(1面)
アルミニウム板(3面)
岩綿吸音板
(システム天井)
3.58MBps ( 1.43 )
注)・実験に用いた三層電波吸収体※3は繊維強化セメント板で構成し、裏面にアルミ箔を貼付け
   ・床はすべてコンクリート
   ・通信速度の、例えば2.51MBpsは毎秒2.51メガビット

 

※1: 室内反射電波の影響:マルチパス(壁や天井、什器などの反射により複数の経路から電波を受信する現象)やフェージング(本来の電波と反射波とがぶつかり合って、強め合うところと打ち消し合うところができてしまう現象)等が挙げられる
※2: ホットスポット:街や駅構内などで無線LANを使える場所
※3: 実験に用いた三層電波吸収体:2.5GHzにおける吸収性能は15.6dB(下図参照)



一般建材による三層電波吸収体の構成



実験に使用した三層電波吸収体の周波数分布



モデルルームの概要



各室内環境での無線LANの通信速度分布



実験の様子

この件に関するお問い合わせ
株式会社 フジタ
広報部
Tel.03-3402-1911
Fax.03-3796-2346
e-mail.info@fujita.co.jp

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