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一般建材を用いた無線LAN対応の電波吸収体を開発~複数の周波数帯域で20デシベルの電波吸収性能~

   当社は、一般的に用いられている内装用建材を複層にすることにより、無線LANでよく使われる2つの周波数帯域の電波を同時に吸収し、約20デシベル減衰させる技術を、橋本修教授(青山学院大学 理工学部 電気電子工学科)の協力を得て開発しました。

  近年、情報化技術の進歩によって室内無線やビル間無線などが身近な技術として使われるようになってきた一方、無線通信のマルチパス※1などによる通信品質の低下や、セキュリティ確保といった新たな課題が顕在化しつつあります。
  無線通信の通信品質を確保・向上するためには、電波吸収体を壁や天井などに設置してマルチパスを防止することが有効な手法の一つであり、いくつかの吸収体が実用化されています。それらの吸収体は一般建材と比較して高価であり、加工性やハンドリングの制約があるほか、単一周波数のみを対象にしたものがほとんどです。そこで、安価で施工しやすく、さらに最近の無線LAN機器で用いられる2.45GHz(ギガヘルツ)帯と5.2GHz帯の2つの周波数帯域に対応可能な吸収体が望まれていました。

  電波吸収のメカニズムは、主として吸収体の壁などに入射して裏面に設けた金属面で反射した電波が、吸収体と室内空間のような異なる物質の境界面で、後続の入射電波と干渉することにより反射波が減衰するものです。異なる物質の境界面を複数設けることにより、複数の周波数帯に対応することが理論的には可能となります。
  当社は橋本教授の協力を得て、一般の内装用建材(繊維強化セメント板、珪酸カルシウム板、石膏ボードなど)を空気層を挟んで二重に構成し、背面に金属面を施した3層型電波吸収体とすることにより、前述の要望に応えることを可能としました。電波吸収特性を示した図の例では、2.45GHz帯と5.2GHz帯において、垂直に入射する電波に対してマイナス20デシベル(電力比で1/100)、斜入射30度でマイナス12デシベル(電力比で1/16)の性能を示しています。
  吸収体の材料や各層の厚さは、設置する部屋の温湿度条件や要求される吸収特性などに応じて設計しますが、2.45GHz帯と5.2GHz帯を対象としてこの吸収体を壁に使用した場合の仕上げ厚は30~40mm程度となります。

  今後は建材メーカーの協力を得て、使用材料や厚さ、空気層確保の方法などの最適化を行い、試験施工を通して施工性やコスト面での課題を解決し、今年度中の商品化を目指します。

 

※1: マルチパス:壁や天井、什器などの反射により複数の経路から電波を受信する現象。通信品質の劣化の原因となり、電波吸収体などの設置により反射を押さえる事で対策可能。
※2: 無線LAN機器で用いられる2つの周波数帯域:機器により2.4~2.5GHz(2.45GHz帯)と5.15~5.25GHz(5.2GHz帯)の2つの周波数帯を使用している。



一般建材による3層型電波吸収体の構成



3層型電波吸収体の吸収特性の一例

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Tel.03-3402-1911
Fax.03-3796-2346
e-mail.info@fujita.co.jp

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