株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:藤田一憲)は、当社が開発したガラス防火区画設計システム 「FRAG’S 」( Fire Resistance Architectural Glass System )を用いて大型店舗における中央階段廻りの避難安全性を確保する設計法を確立しました。
ガラス防火区画設計システム「FRAG‘S」は、建物の防火扉や防火間仕切、防火ガラス等のツールを用いることによって、防火区画※1内への避難安全性を向上させるシステムで、1993年に開発して以来、これまでにこのツールを適用した物件は400件以上になります。
今回はツールを大型物販店舗の中央階段廻りに適用することによって緊急時における避難安全性の確保と中央階段廻りの空間の有効利用を実現しました。
通常、大型店舗の避難計画を行う場合、避難経路となる階段は店舗空間の自由性を高めるために建物の外周部に沿って配置します。しかし100m角を超える平面の大型店舗の場合は、外周部に計画する階段だけでは、避難距離の規定※2(最大40m)を満足できないため、店舗中央部分に階段を設置する必要があります。
この中央階段廻りは、耐火壁に関する防火区画の規定※3により、従来はコンクリ-ト壁等を用いていましたが、見通しや意匠性、開放性が求められる店舗空間づくりには不向きであり、避難時に見通しがきかないということがありました。中央階段廻りにガラス防火区画を用いることによって従来にない店舗空間を創造することができ、また避難時の安全性をより高めることが可能になりました。
この防火区画システムの構成は、階段側面の耐火区画は遮熱性を有したガラス耐火間仕切壁を用い、避難時の
階段への出入り口はガラス防火戸を用いています。当社はこのガラス防火区画設計システム構成について工業所有権を取得しています。
中央階段を避難経路化するシステム の特徴は以下の通りです。
①店舗内空間の視界が良くなり、意匠性も向上しコンクリート等の壁と比べて開放感のある空間
構成となります。
②火災時に避難者が階段の確認が容易となり、避難時の安全性が向上します。
③ガラス耐火間仕切壁の遮熱性能は非常に高く、避難者への輻射熱の影響が少ないため、
安全性が十分に確保されます。
この他、防火区画システムは、従来の防火区画で使用されていた防火部材と自由に組み合わせることも可能ですので、今後、当社はこのシステムを使った新しい防火設計提案をしていく予定です。なおこの区画システムは、既に6物件への実施を行っています。
- 1
防火区画
・・・・火災時に建築物内の延焼・煙の拡散を防ぎ、避難を容易にするため、
一定の床面積あるいは部屋の用途に応じて行う防火上の区画。
- 2 建築基準法施行令第120条第1項第1号…建築物の避難階以外の階における階段への
歩行距離の許容値を定める条項。
- 3 建築基準法施行令第123条第1項第1号…避難階段は出入口、外部に面する窓以外の部分
を耐火構造の壁としなければならない。