株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:藤田 一憲)は、大阪府吹田市で免震構法を採用した三菱地所株式会社の分譲マンション「南千里パークハウス」(11階建、75戸)を今年7月に着工し、現在施工中です。
「南千里パークハウス」は、建設地が傾斜地となっており、このような地形に建設する建物に免震構法を採用する例は珍しく、過去4物件で傾斜地での免震構法の設計を行った当社の設計ノウハウを生かし、今回これまでで最大の段差がある建物で免震構法の設計を行い、このたび免震装置27基の設置も完了しました。
また、大阪府下で免震構法を採用したマンションの件数はまだ少なく、また千里ニュータウン地域では初めてのものとなります。
これまで免震構法を採用した建物の多くは、敷地が平坦であり、建物の基礎も平面状になっています。このマンションにおける免震構法の最大の特徴は、傾斜地に建設するため建物の基礎に段差が生じ、それに伴ない免震装置の設置位置も最大4.5mの高低差が生じることです。
傾斜地では、平坦な土地に比べ複雑な地震動が予測されるため、複雑な計算を行う必要があります。当社では、これまで傾斜地での建物として、東京都小金井市の当社社宅や東京都文京区のマンションなどで免震構法の設計を行っており、これまでの設計ノウハウをベースに、建物を支える杭群の地震時の挙動や、建物が建つ敷地に起りうるであろう地震動の予測に際しても、傾斜地の影響を考慮に入れ設計を行っています。
また建物自体については、建物を立体的な骨組のまま地震に対する安全を確認するシステム「動的立体骨組弾塑性解析システム〔3D-DYNAMIC〕」*1を使用して、建物の安全性を確認しています。
今回、この「南千里パークハウス」に免震構法を採用した結果、震度6程度の地震がきた場合、非免震の場合と比較して建物に入る地震力が約3分の1に低減されます。また、1階部分がピロティータイプの駐車場となっていますが、免震構法の採用により、より一層安全な建物となっています。
傾斜地の多い日本では、今後傾斜地における免震構法を採用した建物が増えていくことが予想され、当社の様々な免震技術、耐震技術、設計ノウハウを生かし、社会的なニーズに対応していきます。免震構法に関しては、これまで20件以上の建物で実績がありますが、最近では免震レトロフィット(免震装置を用いた、歴史的・文化的価値の高い建築物の耐震改修工事)の実績も増えつつあります。昨年には、寺院建築では日本で初めて「本願寺帯広別院本堂」(北海道帯広市)の耐震改修工事に着手し、今年1月には「佛所護念会教団大講堂」(東京都港区)の耐震改修工事に着手しています。
*1「動的立体骨組弾塑性解析システム〔3D-DYNAMIC〕」
地震が建物の各耐震要素(柱、梁、耐震壁など)におよぼす影響を、立体的な骨組のまま時刻ごとにシミュレーションする動的立体弾塑性解析を、EWS(エンジニアリングワークステーション)で手軽に行えるシステム。これまでは、スーパーコンピューターなどを利用していました。
(1995年、当社・安藤建設・五洋建設・ハザマ・三井建設の5社で共同開発)
【「南千里パークハウス」で採用した免震装置の概要】
数 量 :27基
タイプ :高減衰積層ゴム
装置直径:最小750㎜、最大1,000㎜
製 造 :株式会社ブリヂストン
【「南千里パークハウス」の概要】
場 所 :大阪府吹田市山田西1-834
発 注 者 :三菱地所株式会社
設計・監理 :三菱地所株式会社
免震構造設計:三菱地所株式会社・株式会社フジタ 大阪支店
施 工 :株式会社フジタ 大阪支店
工 期 :1997年7月1日~1998年8月7日
規 模 :・構造:鉄筋コンクリート造、免震構造
・規模:地上11階、塔屋1階
・延床面積:7,818㎡( 75戸)
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※本日この資料は、建設省建設クラブ、大阪商工記者会にお届けしています。