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FUJITA DaiwaHouse Group

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長距離・大断面トンネル工事にFRP製セントルを適用 覆工コンクリートの品質向上を検証

株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:上田卓司)は、覆工コンクリート型枠材として繊維強化プラスチック(FRP)を用いたセントル(トンネル覆工コンクリート用型枠支保工、以下 FRP製セントル、写真1)が、従来の鋼製セントルと比較して品質向上に効果があることを検証しました。FRPの特徴である保温効果によって、冬期の気象条件が厳しい東北地方でも良好な初期養生が得られるためで、コンクリート表面がより緻密になることが確認されました。FRP製セントルは施工上の利点(優れた離型性等)もあり、今後普及を進めて行きます。

20130329_FRPsentoru01.jpg  今回、国土交通省東北地方整備局が発注した復興支援道路である東北中央自動車道(相馬~福島)の楢這トンネル工事(福島県相馬市 全長1,492.8m、内空断面積88㎡)において、トンネル全線(非常駐車帯部を除く)で採用したFRP製セントルと非常駐車帯部で使用した鋼製セントルで施工された覆工コンクリートの表層部分の透気係数※1を調べることにより、覆工コンクリートの品質への影響を検証したものです。

 透気係数の測定結果を表1に、試験状況を写真2に示します。側壁、天端ともに、FRP製セントルで施工された部位の透気係数は評価が「良い」となっており、天端部の品質が向上していることが分かります。透気係数と中性化速度係数※2とは相関関係があることが知られており※3、FRP製セントルを使用することによりコンクリートの中性化速度係数が30~50%程度低下し耐久性が大幅に向上します。

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20130329_FRPsentoru03.jpg  山岳トンネルの覆工コンクリートは、打設した翌日(16~20時間後)に脱型する(型枠を取り外す)のが通例で、脱型までの初期養生が重要となります。フジタでは、天引トンネル(京都府、トンネル延長636m、内空断面75㎡、2002年竣工)で初めてFRP製セントルを採用して以来、株式会社エムケーエンジニアリング(本社:大阪市、社長:源石佳弘)と共同で改良を重ねるとともに、更なる品質向上を目的として複数の現場で適用してきました。

 国土交通省九州地方整備局発注の古江トンネル南新設工事(宮崎県延岡市、トンネル延長1,347m、内空断面積94㎡、2010年竣工)では、FRP製と鋼製のセントルについて、コンクリート温度の事前解析と現場計測(脱型時までのコンクリート温度上昇量が鋼製に比べて約3℃大きい)を行い、覆工コンクリートの脱型までの強度発現への影響を定量的に評価し、FRP製セントルの効果を検証してきました。 
 今回の楢這トンネル工事では、品質向上の指標として透気係数による評価方法を採用し、FRP製セントルと鋼製セントルを用いた際のコンクリート表層における品質への影響を検証したものです。

 また、FRP製セントルでは、半透明のためコンクリート充填状況の目視確認が可能、木製型枠と同様の加工が可能で修理が容易等の利点があり、施工延長1,000m超の耐久性を十分に備えているため、今後のトンネル工事へ積極的に採用し、覆工コンクリートの品質向上に努めていきます。
 

【楢這トンネル工事概要】

工事名称

国道115号楢這トンネル工事

工事場所

福島県相馬市山上字楢這

発 注 者

国土交通省 東北地方整備局

施 工 者

株式会社フジタ

工  期

2010年3月13日~2013年2月19日

工事概要

道路トンネル 全長1,492.8m、内空断面積88㎡


※1:コンクリート表層部分の空気の通りやすさを示す指標であり、この値が小さいほど空気がとおりにくく劣化因子の浸入が少ないため、耐久性が高いことを示す。

※2:中性化は、大気中の二酸化炭素(CO2)がコンクリート表面から内部に侵入し、炭酸化反応を生じることにより、本来アルカリ性であるコンクリート中の細孔溶液のpHが低下する現象である。中性化速度係数はコンクリート表面より中性化の進行する速度であり、mm/√t(tは時間)の単位で表す。

※3:「表面透気試験を用いた中性化に伴う鋼材腐食の耐久性設計と検査の連係に関する一考察(土木  
学会論文集E2 Vol.68 No.4 2012)」



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