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FUJITA DaiwaHouse Group

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粘り強い海岸堤防「FRESH BANK工法」を開発 ~京大防災研究所ラボで耐侵食性能を確認~

 株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区 社長:上田卓司)は、津波が堤防を越えても直ちに崩壊に至らず、減災効果の高い「FRESH BANK工法」を開発しました。

 この工法は、既設の海岸堤防を"粘り強い構造"にするために、当社が開発した「砕・転圧盛土工法」※1を適用した工法で、既設の堤防の表面を補強することにより、堤体本体を波浪や津波の越流による侵食から防護する機能を持たせたものです。京都大学防災研究所平石哲也教授の指導※2のもと、2012年12月19日、京都大学防災研究所宇治川オープンラボラトリーにおいて、「砂」「(一般的な)堤防土」「砕・転圧土」※3で作製した堤防模型に津波を越流させる実験※4を実施し、砂や堤防土が激しく侵食されたのに対し、砕・転圧盛土は30回の越流試験後もほとんど損傷が見られず、その耐侵食性が証明されました。2011年3月の大震災を契機に、国の海岸堤防の基本的な考え方は、設計対象の津波高さを超えて、越流した場合においても、直ちに破壊に至らない、粘り強い構造にすることが求められていますが、これに適合した工法として普及を進めて行きます。

 従来では土を主体とする堤防堤体に貼りブロックなどを敷設し、耐侵食性機能を付加していましたが、津波が強力な場合は損傷の可能性があります。2011年の津波では津波越流時に天端部分で6m/s以上の流速が発生し、海岸堤防の陸地側堤防先端では波が駆け下りる際に表面に吸出し力が発生することから、ブロックが外れたり、法面端部が洗掘されたりする被害がありました。このため特に陸側法面の端部への工夫が必要となります。

 今回、当社が提案する「FRESH BANK工法」は、フィルダムやため池の改修工事で実績のある「砕・転圧盛土工法」を、海岸堤防等の耐侵食性能向上技術として応用したものです。

 砕・転圧盛土工法の最大の特徴は、廃棄処分が必要な超軟弱な底泥土などを使用でき、且つ変形性能※5に優れるため既設の堤体となじみが良いことが挙げられます。そのため、地震発生時の既設堤防の耐震性の向上はもとより、砕・転圧土の粘着力による耐侵食性能の向上により、津波越流時の堤体の侵食防止に大きな効果があります。また、既設の堤防の嵩上げなどでも一般的な盛土材を使用する場合と比較して急勾配に出来るので、取得用地が少なくて済むなどの利点があります。

 

※1

砕・転圧盛土工法の概要
「砕・転圧盛土工法」はため池やフィルダムの耐震改修工法としてすでに多くの実績(全国で9箇所のため池と2箇所のフィルダム)があります。宮城県加美郡に位置する菜切谷池は平成19年に同工法にて改修済みですが、今回の東北地方太平洋沖地震直後の調査においても全く被害は見られず、このことからも同工法が高い耐震性能を備えていることが実証されています。

※2

京都大学防災研究所平石哲也教授と「津波の越流時における安定地盤の開発」をテーマに共同研究を実施中。

※3

砕・転圧盛土工法により作製した改良土

※4

実験の仕様(詳細)(添付資料最後に追記)

※5

変形性能の意味
一般的に固化材を使った改良土は変形が進むとコンクリートのようにヒビが入って強度が急激に下がる性質があります。これに対して砕・転圧土は変形が進んでもヒビが入らず、強度が低下することもないため、土で出来た堤体が変形しても強度を発揮することができます。


FRESH BANK工法:Fujita Resistant Shell Bank工法
 (Resistant:抵抗する,Shell:甲殻,Bank:堤防) 商標登録申請中


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